朱乃紅スキゾ日記

管理人朱乃紅の統合失調症の闘病記、雑記

『機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ』は最高級のフルコース料理だ!(再掲)

どうも。情けない、文筆家志望の朱乃紅です。どうして情けないかは、書くまでもありません。しかし、それでも書こうという意思だけは残っています。

今回の『閃光のハサウェイ』のレビューは、まさにその残滓が書かせているものでもあります。

さて、映画『閃光のハサウェイ』鑑賞したのは、2021年6月12日。私は、2019年に買ったムビチケを持って友人と映画館に行きました。

2019年ですよ!ムビチケ買ったの。それから二年も経過してしまった。本当にコロナウイルスは色々なものに影響を与えてしまった。

もし、2020年に『閃光のハサウェイ』が上映されていたらどうだったでしょう。今回の出来上がりとは違ったものになったのでしょうか。それから、今、まさに『閃光のハサウェイ』がヒットしている状況も変わっていたのでしょうか。おそらく、その2つとも若干の違いが出ていたのだと私は推察します。特に、後者においては、告知からの期間が短かったので、もしかしたら今より興行が下がっていたかもしれません。

ですが、満を持して公開された今作は、私たちの予想を遥かに超えたものになっていました。私は、ガンダム世代(再放送世代なので第二世代くらいかな)ですので、ハサウェイの公開は待ちに待ったものでした。しかし、コロナによる世界の改変で、ハサウェイに対するモチベーションも若干落ちたのは確かです。また原作を20年以上前に読んだきりハサウェイとは関係してこなかったのでラスト以外の要素をほとんど忘れた上での鑑賞でした。だけどそれが返ってよかったのかもしれません。

話は変わりますが、私は、今作の監督村瀬修功さんがかなり好きです。『エルゴプラクシー』というアニメを見てから村瀬監督のファンになりました。故伊藤計劃氏の小説『虐殺器官』を映像化したのも村瀬監督で以前の日記でそのことを書いたことがあったと思います。あの作品からハサウェイには繋がっているものを感じます。

実写志向の作品が多く、それでいてアニメーションの良さを無くしていない、それが村瀬監督の素晴らしいところだと思います。

そんな村瀬監督が作った今回のハサウェイは、映像、物語、キャスト、全てにおいて不足するところが無い、最高級のフルコース料理を堪能するような経験でした。

映像は、全く非の打ち所が無い作りで私の好きなイラストレーターの美樹本晴彦さんのキャラクター原案をpablo uchidaさんたちがリアリティ溢れるキャラデザに仕上げてくれたことが何より素晴らしかったと思います。複雑な機構を持つクスィーガンダムペーネロペーを描きあげた中谷誠一さんや玄馬宣彦さんたちのメカニックデザインもすばらしい。私的にはマフティーの量産機のメッサーがかなりお気に入りです。

また、背景も実写と見紛うほどの出来栄えで植物園や半島などの背景は、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とも比する程の美しさでした。

そして、物語においては、難解で独特の富野要素を排さぬままよりわかりやすく、かつ効果的に表現されていたところが何より良かった。多分、小説だけだと「?」というような表現が多かったはずですが、村瀬監督は、そこを自然に生かしてくれていて見ていてとてもキャラクターたちが魅力的に感じます。まさに富野と村瀬のハイブリット効果だと私は思います。キャストも負けてはいません。主人公ハサウェイを演ずる小野賢章さんは、とてもナチュラルでそれでいて意思的でハサウェイの声にマッチしています。以前ハサウェイをずっと演じていた佐々木望さんからの変更でしたが、違和感はありませんでした。(余談ですが、劇場限定Blu-rayの朗読CDの朗読をなさっているのは佐々木望さんのようです。まだ拝聴していない)不思議で魅惑的な少女ギギ・アンダルシアを演じた上田麗奈さんもギギの大人のような少女のようなそれでいて不可思議な表情をしっかりと演じておられます。ケネス・スレッグ役の諏訪部順一さんもさすがベテラン(まだ若いけど)と言える、一見キザだけど芯のあるケネスを上手に表現していると感じました。

そんな映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、一度みただけでは、まだまだもったいない。私も二度劇場に足を運び、劇場限定Blu-rayをゲットして、自宅でもう一度堪能しましたが、これからも事あるごとに円盤をプレイしようと思っています。

そして、この映画、一回で終わりではなく三部作あるのです!こんな上質な映画体験をあと二度も味わえる!それが楽しみでなりません!

ラストは知ってしまっている私、それを村瀬監督がどう解釈してどう料理するのか、予想も付きませんが私は、そこに期待しか持っていません。ガンダム作品としてはマイナーだった『閃光のハサウェイ』をここまでメジャーな位置に持ち上げてくれた小形尚弘プロデューサーにも感謝としか言いようがありません。そして、やはりこの原作を作った富野由悠季監督にはリスペクトを捧げます。こんな世の中ですが、こんな私ですが、『閃光のハサウェイ』からは目を離せないです!