朱乃紅スキゾ日記

管理人朱乃紅の統合失調症の闘病記、雑記

行ってきた!映画『ナポレオン』

本日、念願の映画『ナポレオン』を見てきました!

凄い!の一言。そして、筆舌に尽くしがたい感動があった!

やっぱりサーは凄い!あ、リドリー・スコット監督のことです。(イギリスのナイトの称号をもらっていることから押井守がそう呼んでいた)私は、ブレードランナーさえ未見のもぐりのファンですが、『エイリアン』や彼がアカデミー賞で作品賞をもらった『グラディエーター』を当時病気の最中にも有楽町の映画館まで行って二回見たという記憶からリドリー・スコットの作品は、他の映画と一線を画していると思ってきました。それから見たのは、松田優作の出た『ブラック・レイン』や『ハンニバル』、『ブラックホーク・ダウン』、エイリアンシリーズの『プロメテウス』や『エイリアン・コヴェナント』、そして、最近見たものとしては、『最後の決闘裁判』こんな感じだけど、この中でもグラディエーターの次に好きなのは、ブラックホーク・ダウンかな。アフリカのソマリアでの多国籍軍とゲリラの争いだけど、私は、基本的にアメリカ軍の特殊部隊の戦いとかが好きなので、『ローン・サバイバー』とか『アメリカン・スナイパー』とかめっちゃ好きだった。その中の一つにもなるかとおもうけど、ブラックホーク・ダウンも凄い戦闘だった。プロメテウスやエイリアン・コヴェナントも面白いけど、かなりバッドなテイストなのでそれが少し辛かった。ハンニバルは、ジョディ・フォスターを使わなかったのが少し残念。ですが!今回のナポレオンは、それら作品を凌ぐ面白さです!最近の最後の決闘裁判も中々味があって、中世物としては、良かったですが、ナポレオンはサーの気合の入り方が違う!そして、キャストがばっちし合っていた!ナポレオンを演じるのは、ホアキン・フェニックスグラディエーターでもコモドゥスという悪役を演じていてとても迫力があった。リドリー・スコットとはそれ以来のタッグらしいです。

ホアキン・フェニックスは、本物のナポレオン(の肖像)と見紛うほどの体の作り方、演技をしていた。私は、少し前に彼の出演した『ザ・マスター』という新興宗教の教祖と米軍帰還兵の物語で、後者を演じていたホアキンを見た時あまりにグラディエーターの頃のイメージと違っているのでびっくりした。肉を削ぎ落とし、そして、粗野で無知だが強固な意思をもった役を演じていてとても心に響いた。教祖役のフィリップ・シーモア・ホフマンがこの後亡くなっているのを最近知って少し悲しかった。彼も良い役者だったから。それから、このナポレオンを演じているのを見たら、この人は、いくらでも自分を変えられる人なんだと思った。日本の俳優で言うと、鈴木亮平が少し被る。亡き兄リバー・フェニックスは、めちゃくちゃイケメンで、もし生きていたら兄弟で凄い大俳優になっただろうけど、ホアキンは、一人でそれを成し遂げた。それくらい彼を代表する作品になったと思う。

フランス革命マリー・アントワネットがギロチンにかけられるところから始まる。

衝撃的だ。絶対、『ベルサイユのばら』見直そうと思う。フランスの王家の映画は大好きで『王妃マルゴ』は、私の中では、三本の指に入る。その時代から、ナポレオンが頭角を現して皇帝に上り詰め、凋落するまでを描くのだが、この作品は、ただ史実を描くだけの話ではない。ナポレオンの妻、ジョゼフィーヌとの愛憎が丁寧に描かれている。ナポレオンが生涯をかけて愛した女で彼女なくしてナポレオンも無かったと思わせる強くしたたかな女性だ。その二人の関係と度肝を抜かれる戦闘シーンが二本の線になって観客の心を鷲掴みする。話は史実に基づいているが、リドリー・スコットの手にかかると大スペクタクルロマンになる。いや、それ以上に人間のドラマを感じさせてくれるのだ。私の中のナポレオンというと、世界史を取っていなかったので、記憶は、小学生時代に読んだ歴史マンガだ。そのくらいの知識しかなかったけれど、全く問題なく見れてかつ勉強にもなった。ワーテルローの戦いという名前は知っていたが、ナポレオンの最後の戦いだったんだ。最後には熱い涙がこぼれた。ナポレオンの戦争で何百万人の人が亡くなったということがパンフレットに書いてあった。今も戦争で数多の命が奪われている。ナポレオンは、今では独裁者の様に見えるが、この映画を見ると温かい血が流れているのが分かる。今戦争を起こしている独裁者や、それに加担する者、そして、それに抗う者。時代は変われど人と人の争いは変わらない。ウクライナパレスチナ、東南アジアや香港、自由を求めて人は、抗う。どうか、人の命がこれ以上奪われないように願うばかりだ。

ブレードランナー』だけは、見ないとな。もぐり過ぎる。